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台峯日乗104

 

クレーの絵でどれが一番好きですか?とよく聞かれる。『わずかばかりの友情』(1932年)が好きだと答える。原題は"Ein Fetzen Gemeinschaft"で「共同体の破片」という意味だが、わずかばかりの友情とは誰の訳か不明だが名訳である。

 

 猛暑の夏が過ぎてゆく。全国高校野球選手権を8月6日の初日から、大切な仕事を後回しにして、朝8時15分の放送開始から試合終了まで毎日テレビで観ていた。全試合を観戦したが決勝戦だけは観られなかった。観ていて面白かったのは(今年から?)出場校の校歌が聴けることだった、今までは勝ったチームの校歌が試合後に流れるだけであったのが、2回の攻撃の後にそれぞれの校歌が場内に流れる。作詞作曲の名前も出てくる。校名は忘れたが中に折口信夫の作詞があった。正直に云えばあまり評価できる歌詞ではなかった。山形県代表鶴岡東高校の作詞は詩人真壁仁さんだった。ずいぶんむかし、雪の山形で酒を酌み交わしたことがある。たしか『歴程』の詩人であったが御大・草野心平を真っ向から批判する気骨の詩人だった。その夜、真壁先生が話してくださったことは今でもよく覚えている。お会いしたのはその日限りで、後年『野の教育論』を上梓され、私のライブラリーの何処かに隠れているはずだ。これまで聴いた甲子園の校歌の中では、何と云っても蔦文也監督率いる徳島県池田高校が一番であった。「光、光、光を呼ばん」の歌はまだ聴覚のどこかに残っている。

 

 なぜ毎年のように高校野球を熱心に観戦するのかには理由がある。昭和53年の夏、青戸の実家で高校野球を観ていたある日、私たち男3人の兄弟がみな上半身裸であったのを見て、母が名状しがたい微笑みを浮かべながら「男の子三人が裸で並んでいるのは逞しいわね」とポツリと云った。母も野球が好きで、その夏彼女は既に末期癌で、思うように身体も動かずに寝たり起きたりの毎日であったが、兄弟3人が揃って裸で甲子園を観ているのが嬉しかったのであろう。夏が過ぎて、9月半ばに母は死んだ。つまり私にとって夏の甲子園観戦は母の供養なのである。あれから41年目の夏だ。

 

 

 


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