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台峯日乗103

 

今からひと月前のものだが、ほかに載せるPhotoが無いので、隣の女子校に咲いた紫陽花を公開する、私は毎日のように石垣の上に植えられた紫陽花の前を通り過ぎて坂下まで下りて行った。春は桜、秋はイチョウ、梅雨時は見事に紫陽花が咲き揃う学校の敷地を回り込んだ先に私のアパートがある。ベランダに出ると時折り、女子生徒たちが練習する器楽や歌や合唱が聞こえてくる、中高一貫校で音楽コース・音楽科のある、全員が音大受験の生徒たちの練習だからとても上手で、ここに引っ越してきた直後、まるで木下恵介の映画のなかで生活しているみたいだとブログに書いた。

 

 カンディンスキーが自著に引用した『ヴェニスの商人』の一節を手掛かりに「バウハウスのクレー」というスピーチ構想を練ると前回書いたが、一向にプランは進まず、つまり論旨がはっきりと見えてこないまま二週間が過ぎた。慌てることはない、スピーチは11月末だ。ちょっと遠回りをしてアラン『芸術論20講』を読んでいる。本書は1929年11月から翌年4月にかけてアランが講じた連続レクチャーで、実に南海ホークスだ。面白いのは、彼が専門的哲学者ではなく高等学校の教師として生涯の大半を過ごすなかで得た哲学的文脈が、主にカントとヘーゲルを敷いており、フランス人なのにドイツ観念論に立脚してところが私には親しみ深くまた心地良い。次回の新小岩セミナーで取りあげる予定なので、難解とは云え、間に合うように読了すべく毎朝読んでいる。

 

 アランで思い出すのは、20年ほど前、宮城まり子さんから吉行淳之介文学館(静岡県)にクレーの絵を飾りたいのよねと云われ、彼女を連れてベルンのクレー家を訪ねたのだが、クレー家から作品を1点譲り受けた話題は横に置くとして、旅行中、彼女が「わたしね、大昔だけどアランに会ったことがあるのよ、そのときアランさんが、今のあなたには難しいかも知れないが私の著作を一冊差し上げましょうと云ってくださったのよ」という話をお聞きしたことだ。どの著作だったのか未だに不明だがおそらく最もよく知られた『幸福論』ではなかったかと思う。

 

 昨日、神奈川県立近代美術館葉山へ展覧会を観に行った。『みえるもののむこう』女性芸術家5人の、絵画、映像、ダンス、立体、コンセプトによる展示で、とても好かった。好かったと云うのは、現代芸術は壁に掛かった作品を鑑賞する(視る)のではなく「体験」するのだという(ニューヨーク北方"DIA:BEACON"のコンセプトだが)それを実感できる実に爽やかな空間だったからである。掛け値なしにお勧めする。知人3人と連れだって美術館に入る前、一色海岸ブルームーン(海の家)でランチした。私は車を運転して行っていることをすっかり忘れて、昼間から生ビールをぐびぐび飲んだ。「バウハウスのクレー」を考えなければ・・・。

 

 

 

 


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  • 2019.07.22 Monday
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