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台峯日乗 90

詩仙堂

洛北詩仙堂に遊んだ。

詩仙堂へ来るといつも思い出すことがある。畏友ロベルト・オテロを此処に初めて連れてきたとき、それは雪がしんしんと降る冬の日だったが、庭へ降りて、他には誰もいない日だった、小さな川の流れの橋の上で、ホルヘ・ルイス・ボルヘスが書いた一節に「自分はいま世界の中心点に立っている」があり、俺はいまそれを感じていると彼が云った。

それは先日来書いている、しつこいようだが、世界から別の世界への入口ということだろう。二度目にロベルトを連れて行ったときには、彼はそれを感じなかったという。ボルヘスの記述のどれがその文章なのか分からないが、先日、久しぶりに本屋へ行って1960年の詩集『創造者』を買った。まだテーブルに載せているだけでページを繰ってはいない。ガルシア・マルケスは好きだが、ボルヘスはより深い。

今日詩仙堂へ行った経緯はとても可笑しい。娘が8月から半年間ニューヨークのダンス学校に留学するのだが、先月末、学校からようやく入学許可状が届いて、大急ぎで学生ビザの申請をし、ビザ取得のための面接を予約しようとしたら最速で8月4日と云われ、今月末にはニューヨークへ行っていなければならない日程にはとても間に合わない。大使館に相談したところ、大阪領事館ならもっと早く面接予約が可能とのことで、では大阪で面接をしてもらうことにして申し込んだが、最速で7月21日、それもリスクだ、やむなく緊急面接の手続を取ったところ、明後日の朝8時半なら可能だと返事がきた。

昨日の夕方、娘と大阪に行き、今朝早く彼女を領事館へ送っていった。入学許可状が届いて以来、ほんとうにビザが下りるのかどうか心配で彼女はろくに眠ることもできなかった。面接はほんの1、2分で済み、来週にもビザを発給しますと面接官に云われて、朗らかな顔で彼女が領事館から出てきた。せっかく大阪まで来たのだから帰りは京都に寄ってパパの好きな場所を訪ねようと彼女に云った。

サウスフェリーからステッテン・アイランド行きのフェリーに乗って、或る日曜の朝、分厚いNYタイムス日曜版を膝に載せ、そのままマンハッタンに戻る船のデッキから朝日に輝くスカイラインを眺めていたとき、ああ、ここから世界が全部見えると思ったものだ、20年以上も前のことだった・・・。彼女がNYで暮らしているあいだ、一度は顔を見に行ってあげよう、フェリーに乗って、彼女にもそれを見せよう。


 

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