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  • 2020.02.07 Friday
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高みへ

Erhebungen

昨日この絵を部屋に飾って女子会を開いた。

 絵のタイトルは日本語で高さとか高揚を意味するドイツ語"Erhebung"の複数"Erhebungen"だから「高みへ」と訳してみた。女子会には、死ぬほどドイツ語が出来る二人(翻訳家・橋文子さんと慶応義塾で美学を教える後藤文子さん、ダブル・フミコ)が来ていたのだから確かめればよかった。

 女子会といっても上記お二人と編集者のJさん、パートナーK、女性4名と私(わたしは女子ではないが)の少人数であったから、ワインで昼食、だらだらと飲みながら夕方までお喋りした。クレーと文学というテーマでディスカッションをするつもりでいたが、ひたすら私一人が熱っぽく語り続け、みんなフニャっとした顔で聞いていた。編集者のJ嬢が「新藤さん、そのシャツ、怪しげな大学教授みたいで似合いますね」と、まったく人の話を聞いていなかったような感想を述べて、とりあえず一段落した。

 壁に飾ったクレーの絵は、今年7月ベルリンで買ったもので、もちろん私が買ったわけではない、或るコレクターが買い、ここしばらくクレー協会で管理している。とてもいい絵だ。ワーッとお股を広げて人が山を駆け上っていくみたいな絵ね。おいおい、あんた方は世間では教養高いと思われてんだから、もうちょっとまともな見方ってないの?まあ、みな酔っているから気にすることではないが。1937年の秀作だ、クレーが東洋のカリグラフィを意識しているのは明白。

 個人情報に関わるので、本人の許諾なくコレクターの名を明かすことはできない。それにしても、突然日本で流行りだした個人情報って何なの?住所氏名電話番号とか、たしかに無関係な人に知らせる必要が無いことはわかる。それは昔からそうだった。急に「個人情報」とかいう馴染みのない概念を了解してしまったのが問題なのだ。

 私がときどき行く都立中央図書館の5階にカフェ・レストランがあり、レストランとか云ってもダサい食堂でしかない。ここでは機械で食券を買い、黙ってカウンターに食券を出して待つのだが、料理が上がると調理場のオッサンが「あんかけ焼きそばの方!、豚カツ定食の方!、チャーシュー麺!」と大声で注文者を呼び寄せる。へ〜、あんな大人しそうなお嬢さん、今日は豚カツか〜!などと周囲の人々は、料理と注文者の相性を考えさせられることになる。あれって個人情報保護法違反ではないかといつも思う。

 そうそう、忘れないうちに書き留めておきたい。NYからの帰り便、逆風が強くて14時間もかかったが、ハリー・ポッター最終章2本のほか映画を何本か観た。何とフェリーニの「8 1/2」(はっか・にぶんのいち)があったので何十年ぶりかに観た。いや〜凄い映画だな〜と思った。若いときに観たのはやはりちゃんと観ていなかったのだと、己の凡人ぶりが分かった。

 映画で映画を考えている映画。つまり詩論で詩を書くのと同じだ。映画言語とはこれだよ〜っと、フェリーニ先生が教えてくれる。その後ジャン=リュック・ゴダールが「気狂いピエロ」でやっている。いやそれで、話はそれではない、8 1/2のラストシーン、あれぇ?どっかで観たよな〜?・・・あっ、ヴィム・ヴェンダース「PINA」のラストとおんなじだ、と気付いた。そっかぁ、フェリーニの影響ってまだまだあるな。

 ピナ・バウシュの映画「PINA」はどうやら来春には日本でも公開されるらしい、ああ良かった、3回くらいは観にいこう。

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