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  • 2020.02.07 Friday
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ナブッコ

MOMAモネ

シチリアから帰って、今年はもう国外に出ることはあるまいと(アルマイト?むかし弁当箱がみなこれだった)思っていたが、あにはからんや、先週火曜日ニューヨークに出掛けて昨日帰ってきた。

 滞在中は毎日、雨に降られて靴の中がぐちゅぐちゅになった。ボロ靴ではないのだが、うっかり水溜まりをバシャッと歩いたりするので、足先の方から水が浸みてきて、一日中歩きまわっているものだから、靴下の前半分ほどを濡らしたままでいる。気持ち悪かった。ホテルに帰って靴の中に新聞紙を丸めて入れ、一晩おけば中が乾くだろうと思いきや、翌朝もつま先の辺りがまだ濡れたままで、そこにまた足を入れる気持ち悪さがなんとも云えなかった。

 帰国する日の朝になって、雲一つない青空。ピンと張りつめた冬のマンハッタンのいつもの空気だ。気温は5℃、あらま、何てタイミングの悪いこと、朝から夕方までソーホーからアッパー・イーストのギャラリーを観て回っていたので、一日だけでもこんな天気が欲しかった。それで、成田に着いたら激しい雨、どうやら雨を呼び込んでいるらしい。晴れ女はよくいるが、私はとうとう雨男になったのか。

 おまけに傘を忘れていった。ミラノで買ったボルサリーノは防水加工であるから、背広が濡れるのを我慢すれば、軒先から軒先へ、雨の中をなんとなく誤魔化しながら歩いていたが、ザッザーッと大降りになってこりゃ駄目だと思い、ちょうど通りかかったバーニーズ百貨店に飛び込んだ。東京に忘れたのはユニクロで買った折りたたみ傘(550円)で、実はこの時、面倒がらずに10ブロックほどバスか地下鉄で53丁目まで行けば、先月開いたばかりのユニクロ・ニューヨークで、私が東京に忘れたものと同じ折りたたみ傘を8ドル程度で買えたはずだが、雨はますます本降りでバス停に行く気持ちにもなれない。

ユニクロNY それでこれが傘を買いに行くべきだったユニクロNYだが、私は結局、雨が上がる様子もないので代わりにバーニーズNY折りたたみ傘を40ドルで買う填めになった。
 五番街53丁目のユニクロはすごい。何がすごいか、店の広さがすごい、実は前日、雨がそれほど強くない時間に、というか降ったり止んだりの天気で、53丁目は近代美術館の通りだから「ヴィレム・デ・クーニング展」をチラッと観にいったとき、ユニクロを覗いてみたのだ。いや、広いのなんのって、1フロアーあたりテニスコート4面は楽に取れる。と思う。


MOMAクレー ヴィレム・デ・クーニングは、私たちの世代には特に強烈な印象を残したアメリカ戦後美術のスター画家で、私は1968年の「アメリカ現代美術展」(京橋・国立近代美術館)ではじめてオリジナル作品を観た。観てすっかり魅了され、展覧会にも2度行った。後年、欧米の美術館を訪ねるようになってからは、デ・クーニングの作品を観るたびに68年を思い出していた。(因みに右の絵はデ・クーニングではない。近代美術館のクレー「猫と鳥」の部分)

 近代美術館のデ・クーニング展は私には初めての回顧展で、彼が何処からやってきて、私が初めて知った頃は彼が何処にいて、それから何処へ行ったか、殆どといって良いほどブレの無いデ・クーニング氏の創作史に感嘆した。何処からやってきて何処へ行ったか?は、彼が若い頃からどんな画家の影響下で描いてきたかと同意。

Bunacco 3泊5日の小旅行であるから、用事以外に特別なプログラムはなかった。でも出発直前、滞在中のメトロポリタン歌劇場演目を調べてインターネットで切符を買うことは忘れなかった。ヴェルディのデビュー作『ナブッコ』(11月17日、何が何だか分からないだろうが左の写真)。舞台は私は初めて観た。これといって有名なアリアはないが、第三幕で歌われる合唱「行け、我が思い、金色の翼に乗って」は余りにも有名。古今東西、映画音楽としてこれほど頻繁に使われた曲はほかにないのではないか。合唱が始まったとたん、隣席の韓国人旅行者の女性がポロポロと泣き出した。私もつられて涙が出てきて曲のあいだ泣き続けた。

 歌劇『ナブッコ』といえば忘れがたい思い出がある。美空ひばりさんが亡くなる直前、折から来日中のイタリア・オペラ(スカラ座?)をNHKホールに観に行って感激したというのだ。一緒に行った神津善行さんがテレビで喋っていたが、その時ご覧になった演目を『ナブッコ』と言わず、間違えて『ブナッコ』と言った。私はすぐさま歌い出して「♪どじょっこだ〜の、ブナッコだ〜の、は〜るが来たなと思うべな〜♪」とやった。ウケた。

 それには伏線がある。ずいぶん以前のことだ、トランペット奏者・近藤等則がある年の夏、故郷の今治に帰省するから泳ぎに来ないかと誘ってくれ、私は連歌仲間の伊藤瞬星とその友人と3人で、私が運転するオンボロ車で、途中、オープンして間もない直島ミュージアムなどに立ち寄りながら、テレテレと今治にコンちゃんを訪ねた。夜、彼の今治西高同級生等と飲み、中に今治市役所に勤める真面目な方がいらしたのだが、帰りのタクシーでその方が我々を送って下さり、コンちゃんから我々がヨーロッパを足場に仕事をしている国際ビジネスマンだと大仰に聞いていたのであろう、その方が「あの〜、いまわたくしは市役所で国際交流を担当しているのですが、モロッコというのはどんな国なんでしょうか?」とお聞きになった。こちらは相当に酔っていた。お答えする代わりに「♪どじょっこだ〜の、モロッコだ〜の♪」と演ってしまったのだ。二度と口を利いてもらえなかった。

 メトロポリタン歌劇場で、合唱を聴いて涙が止まらなかったなどと言っているが、私の話はおおよそ真面目に取り合えるものではない。

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